障害者グループホームの費用はいくら?家賃・食費の内訳と、家賃補助・利用者負担のしくみ
グループホームを検討し始めたご家族から、いちばん多くいただく質問が費用のことです。「月にいくらかかりますか」「障害年金だけで暮らせますか」。
答えを先に言うと、費用はホームごとに違いますが、内訳の構造はどこもほぼ同じです。構造さえ分かれば、どのホームのパンフレットを見ても自分で比較できるようになります。この記事では、その構造を順番に説明します。
費用は大きく2種類に分かれます
グループホームでかかるお金は、次の2つに分けて考えます。
- 住まいの実費……家賃、食費、水道光熱費、日用品費など。ホームごとに金額が決まっていて、毎月ホームに支払います
- 障害福祉サービスの利用者負担……支援(サービス)に対する自己負担。原則1割ですが、所得に応じて上限が決まっています
「グループホームの費用」としてパンフレットに大きく書かれているのは、たいてい1の実費のほうです。順に見ていきます。
1. 住まいの実費:月6〜9万円程度が多い
実費の内訳は次の4つが基本です。制度上、グループホームが利用者に実費として請求できる費目は、食材料費・家賃・光熱水費・日用品費と決められています。
| 費目 | 内容 | よくある金額帯 |
|---|---|---|
| 家賃 | 個室と共用部の家賃 | 2〜4万円台 |
| 食費 | 朝食・夕食等に使用する食材料費 | 2〜3万円台 |
| 水道光熱費 | 電気・ガス・水道 | 1〜1.5万円 |
| 日用品費・共益費など | トイレットペーパー、洗剤など | 数千円 |
参考までに、私たちが土浦市で運営しているにこにこビレッジ桜ヶ丘の場合は次のとおりです。
- 家賃:30,000円
- 食費:30,000円
- 水道光熱費:15,000円
- 消耗品:5,000円
- 合計:月額80,000円(敷金・礼金・保証金はありません)
このほかに、ご本人のおこづかい、携帯電話代、通院の医療費、日中通う事業所での昼食代などが個人ごとにかかります。比較するときは「ホームに払う月額」と「本人の生活費」を分けて書き出すと、全体像がつかみやすくなります。
また、入居時にかかる費用も確認ポイントです。敷金や保証金が必要なホームもあれば、不要なホームもあります。見学の際に「入居時に最初に払う金額の合計」を聞いておくと確実です。
→ 関連記事:土浦市の障害者グループホームの費用の目安
2. 家賃には月1万円の補助があります(特定障害者特別給付費)
グループホームの家賃には、国の補助制度があります。「特定障害者特別給付費」、現場では「補足給付」と呼ばれることが多い制度です。
- 対象:生活保護を受けている方、または市町村民税非課税世帯の方
- 金額:家賃を対象に、月1万円が上限(家賃が1万円未満の場合はその実額)
- 手続き:障害福祉サービス受給者証の申請とあわせて市区町村で認定を受けます
障害基礎年金のみで暮らしている方の多くは市町村民税非課税に該当するため、実際には入居者の多くがこの補助を使っています。ただし、世帯の課税状況によっては対象外になるため、「自分の場合はどうか」を市区町村の障害福祉窓口で確認してください。
先ほどの桜ヶ丘の例でいえば、特定障害者特別給付費(補足給付)の対象となる場合、家賃について月10,000円を上限とした給付があります。他の条件が変わらなければ、ご自身で負担する実費の目安は月70,000円ということになります。
→ 関連記事:つくば市の障害者グループホームの費用と家賃補助
3. サービスの利用者負担:非課税世帯は0円
グループホームの支援そのもの(共同生活援助というサービス)の費用は、原則1割が自己負担です。ただし所得に応じて月の上限額が決まっており、上限を超えた分は請求されません。
| 区分 | 世帯の状況 | 負担上限月額 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 一般 | 市町村民税課税世帯 | 37,200円 |
ここでいう「世帯」は、18歳以上の方の場合、ご本人と配偶者だけで判定されます。親と同居していても、親の収入は原則関係ありません。障害基礎年金のみで生活している方は非課税に該当することがほとんどで、その場合の利用者負担は0円です。
なお、グループホーム利用者で課税世帯の方は上限37,200円の区分になりますが、実際にこの負担が発生するかどうかは収入状況によります。ご自身の区分は受給者証の支給決定のときに市区町村が認定します。
障害基礎年金で暮らせるのか
もっとも気になるところだと思います。最初にお伝えしておくと、この問いに「足りる」「足りない」と一律に答えることはできません。年金の等級、就労収入や工賃の有無、医療費、携帯電話代やおこづかいといったご本人の支出、そしてホームの家賃設定によって、一人ひとり答えが変わるからです。
そのうえで、考え方の目安として計算例をひとつ示します。2026年度の障害基礎年金2級は年額847,300円、月額に直すと約70,600円です(昭和31年4月2日以後生まれの場合。年金額は年度ごとに改定されます)。仮に、実費が月8万円のホームで家賃の補足給付(月1万円上限)の対象になったとすると、実費の目安は月7万円。この例では、年金2級だけでは住まいの費用でほぼ使い切ってしまい、医療費やおこづかいまでは賄えない計算になります。
なお、所得などの要件を満たす方には「障害年金生活者支援給付金」が年金に上乗せして支給されます。2026年度の基準額は1級で月7,025円、2級で月5,620円です。実際に受給できるか、いくらになるかは個別に異なりますので、年金の通知書や年金事務所でご確認ください。
実際には、次のような収入の組み合わせで生活を組み立てている方が多くいらっしゃいます。
- 就労継続支援B型などの工賃や、就労収入を組み合わせる
- 障害基礎年金1級(2級の1.25倍)や障害厚生年金を受給している
- 不足分をご家族が補助する
大事なのは、検討しているホームの実費とご本人の収入・支出を、一度書き出して具体的に計算してみることです。見学や相談の際に収入の状況を伝えていただければ、無理のない資金計画になっているか、事業所側も一緒に確認できます。
費用を比較するときの3つの注意
- 「安さ」だけで選ばない。 家賃が安くても、夜間体制が薄い・食事が仕出し弁当のみ、ということもあります。金額と支援内容はセットで見てください
- 食べなかった日の食費の扱いを確認する。 帰省や入院で不在の日の食費が日割りで引かれるかどうかは、ホームによって違います
- 「家賃補助を引いた後の金額」で広告されていないか確認する。 パンフレットの金額が補助適用前か後かで、月1万円変わります
にこにこビレッジ(土浦市)の料金は、このページで説明した内訳をそのまま公開しています。「この収入で入居できるか」「家賃補助の対象になるか」といった個別のご相談も、お問い合わせいただければ一緒に確認します。
※制度・金額は2026年8月時点の情報です。最新の情報は市区町村の窓口でご確認ください。